後遺障害の種類

後遺障害の中でも特に問題となるものについてご紹介します。

むち打ち症(頚部損傷による神経症状)

交通事故被害でもっとも多いのが、むちうち症による後遺症被害です。頭痛、手足の痛み、しびれ、麻痺など神経症状と言われる症状が出てきます。本人の訴え(愁訴)によって判断される要素が大きく、交通事故ではよく問題になります。後遺症では14級、12級、9級と被害のレベルによって大きく変わります。

最も重要なものがレントゲンなどの画像診断です。画像診断で異常が発見されるような被害は12級を目安とされます。さらに、日常生活に制約があって、就労がかなり制約されると9級と判断されます。これに対し、画像上よくわからないが被害がありそうだという事例は14級と診断されます。

MRIが非常に重要な証拠となるのですが、病院によってMRIを行わない例もあります。かなり後になってMRIが行われたり、別の病院で行われたりすることもあります。MRIで初めて異常が発見された場合、保険会社はかなり遅れて発見されたのだから事故とは関係ないと言ってくることがあります。しかし、もちろん、あきらめないで対応していく必要があります。

高次脳機能障害

人の精神作用は脳の中の様々な機能がいっしょになって働いて機能します。ところが、交通事故によって脳の中の、かけはしが壊れてしまうことがあります。どうしても感情をコントロールできない、すぐ忘れてしまう、足し算ができないなどいろいろです。こうした脳の作用が壊れてしまう場合を高次脳機能障害といいます。

高次脳機能障害は脳が事故の衝撃によって冒される場合ですから、一定の特徴を備えます。一般的には次のように言われています。

  1. 頭部に強い衝撃があったと考えられる。
  2. 事故直後、意識不明の状態があった。
  3. レントゲンやMRICTなどによって脳出血などの傷害を発見できる。
  4. 脳機能傷害によって日常生活に変化があるか。

高次脳機能障害は非常に難しい判断で、この問題を扱うについては弁護士への相談は不可欠です。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は交通事故の後遺症といえるでしょうか。最近、このような訴えが増えてきました。

脳脊髄液減少症は最近注目されている傷害です。「脳脊髄液腔から脳脊髄液が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄液が減少し、頭痛、頚部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、倦怠などさまざまな症状を呈する疾患」とされています。

これは髄液が漏れて生じる疾患であるため、漏れているところにフタをして髄液が漏れないようにすると症状が軽くなります。これは、ブラッドパッチと呼ばれる治療です。実際に治療を受けた方からお聞きしたところによりますと、ブラッドパッチによって劇的に効果が現れるケースがあります。ミエログラフィーによって、明らかな漏出が認められる場合もあります。

交通事故の分野では、この疾患について多くの論争が起こっています。現状では自賠責では後遺症を認めない傾向にあります。裁判例もかつては否定的な傾向でしたが、最近は徐々に認める事例がでてまいりました。

脳脊髄液減少症ということで、あきらめてしまう患者さんが多いかも知れませんが、最後まであきらめず、戦っていくことが大切です。